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第10話 心の声 Side:瓢 真人

last update Date de publication: 2026-09-06 06:00:01

 自室へ戻った僕は、閉じた扉を背にして小さく息を吐いた。

「…………」

 静かな部屋。いつもなら何も感じない。

 それが、今夜は違う。

 廊下の向こうに、相沢さんと陽奈ちゃんがいる。

 相沢さんのことは、最初、頑張り屋の女性だという認識だった。

 めいっぱい仕事を引き受け、必死になって、残業している姿を会社で遠くから見ることしかできなかった。

 そんな彼女が自分の家にいる。

 彼女のことは最初、ただ頑張り屋の社員だと思っていた。

 なのに、いつからだろう。気がつけば、目で追うようになっていた。  

 保育園から電話がかかってきた時だけ、仕事中とはまるで違う母親の顔になる。

 娘の話をするときだけ、柔らかく笑う。  

 そんな彼女を見るのが、僕は好きだった。

「……何を喜んでるんだ
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